日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
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看護職者の倫理事例分析から導いた倫理的行動:発表事例の分析結果を活用した看護実践行動の特徴
石山 真寿子高橋 美穂子
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2019 年 11 巻 1 号 p. 91-99

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抄録

本研究の目的は、看護職者が倫理事例分析から導いた倫理的行動を明らかにし、看護職者が倫理的行動を示した看護実践行動の特徴について明らかにすることである。方法は、A病院で実施した過去2年間の倫理事例発表会の資料から看護職者が看護実践に導いた倫理的行動の記述内容を抽出し質的帰納的に分析した。その結果【1. 様々な背景を持つ患者・家族の希望を取り入れると共に患者の状態に合った療養環境を決定するために専門的な知識を持つ職種と協働する】、【2. 看護職者間で患者の希望や尊厳を守ると共に安全担保を考慮した看護計画を立案・実施する】など12カテゴリが抽出された。文献と照合し考察した結果、看護職者が倫理事例分析から導いた倫理的行動は「チーム医療を担う各職種との連携・調整」「患者・家族との関わりから得られた看護の気づきや学びを看護職者同士で振り返る」など6つの看護実践行動を前提としているという特徴を示した。

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© 2019 日本看護倫理学会
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