日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
研究論文
島民が住みなれた島で最期を迎えることのできない要因と課題
白川 真紀八代 利香吉留 厚子吉田 愛知
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2010 年 2 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

鹿児島県十島村は外海遠洋離島であり、7つの有人島がある。医師は7島で1名、看護師は各島に1名が常駐している。島民は最期を迎える時、長年住みなれた島を離れなければならない現状がある。その要因について文献調査をした結果、「高齢化・過疎化」「医師不在」「社会資源の不足」「遺体処理の問題」の4つが明らかになった。このような状況は、島で最期を迎えることを望む島民の、よりよく生きる権利や生命の尊厳などの基本的生存権を損ねている。唯一島にいる医療専門職として、看護師の存在と果たすべき役割の拡大が、今後の重要な課題と考える。

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© 2010 日本看護倫理学会
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