看護科学研究
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総説
夜勤を含む交替制勤務と月経周期の異常との関連に関する観察研究の系統的レビュー
杉山 萌白石 三恵萩原 夏音
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2024 年 22 巻 p. 56-67

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抄録
【目的】夜勤を含む交替制勤務と月経周期の関連について、先行研究の定量的統合により明らかにすること。【方法】2024年2月末までに公表された和文・英文文献を対象に「交替制勤務」「月経」等の検索語を用い、4つの電子データベース検索およびハンドサーチを行った。対象は月経を有する女性、曝露は夜勤を含む交替制勤務、比較は夜勤を含まない非交替制勤務、アウトカムは不規則な月経周期、月経の長周期・短周期、月経持続日数とし、研究デザインは観察研究とした。定量的統合にはDerSimonian-Laird法を用いた。【結果】12 編の論文(12研究)をレビューに含めた。交替制勤務群では、6編中5編で不規則な月経周期、6編中4編で月経の長周期、7編中3 編で月経の短周期のリスクの増加が示されていた。定量的統合の結果、交替制勤務群では不規則な月経周期(オッズ比 (95%信頼区間)=1.51 (1.32–1.72)、5編中の17822名を統合)と月経が長周期である(1.70 (1.00–2.87)、5編中の10225名を統合)リスクが高かった。交替制勤務と月経の短周期や月経持続日数との関連は見られなかった。【結論】夜勤を含む交替制勤務に従事する女性は、不規則な月経周期や月経が長周期となるリスクを理解した上で、異常の早期発見につなげる必要がある。
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© 2024 看護科学研究編集委員会
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