留学生30万人計画は2019年に30万人の目標を達成したが、偽装留学生を増加したという批判も見られる。このため本稿では、上位計画である成長戦略や、大学等のグローバル化など主な方策にかかる政策文書や予算書の分析から、計画の政策的枠組みを確認し、その成果と課題を検証した。
分析の結果、計画の主要な目的は「優秀な留学生の増加」と「留学生の国内就職」と特定され、その成果指標を分析したところ、大学等のグローバル化は英語コースを増加し、直接入学者の増加をもたらしたが、入学時点で日本語力を求めないという利点が日本就職促進上の課題となっていることが判明した。
また、方策に入っていなかった日本語教育機関が、人数目標達成に大きく貢献したものの、優秀な留学生の増加は十分に達成されておらず、日本語教育機関に対する支援とモニタリングを拡充する必要性が示唆された。