音楽教育学
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研究論文
唱歌「さくらさくら」の研究
―その成立過程と学校唱歌教材としての変遷をめぐって―
嶋田 由美
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2002 年 32 巻 2 号 p. 1-14

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抄録

 「さくらさくら」は我が国を代表する歌として内外に広く知られているが, その唱歌としての成立過程や, 学校音楽教育の必須の教材として位置付けられる過程については解明されずに今日まで, 「日本古謡」として扱われてきた。本稿は, 明治21年発行『箏曲集』の「櫻」の原曲についてのこれまでの諸説を整理し, この「櫻」を原曲とする唱歌「さくらさくら」が学校音楽教育の中で重要な位置を占めるに至った過程を明らかにすることを目的とするものである。研究の結果, 現行の「さくらさくら」の楽曲としての原曲は『箏曲集』所載の「櫻」と位置付けられること, しかし山田流箏曲の手ほどき歌として以外には『箏曲集』編纂の前後から昭和前期に至るまで「櫻」が広く歌われていたという形跡が見られないことが明らかとなった。「さくらさくら」が教材として確固とした位置を得るのは, 国民学校期芸能科音楽で『うたのほん 下』に『箏曲集』の「櫻」の替え歌として掲載されて以降のことである。従って, この「さくらさくら」を「日本古謡」とすることの妥当性が問われるべきである。

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© 2002 日本音楽教育学会
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