2018 年 2 巻 論文ID: 2018-007
我が国における医療制度は,病院中心の医療から在宅医療へと変わりつつある.「かかりつけ薬剤師」制度もはじまり,在宅や健康相談窓口で薬剤師がフィジカルアセスメントをとる機会も増えることが予想される.
立命館大学薬学部では,医療薬学実習2の中で,フィジカルアセスメントを学生に教えている.今回,フィジカルアセスメントの中の血圧・脈拍測定を学生に教える方法と教育上の工夫について紹介する.運動負荷(600 m走)を取り入れ,運動前後の脈拍・血圧を学生同士で測定させた.運動負荷により,血圧・脈拍測定に対する抵抗感がとれて手技を自然に修得できるとともに,自分達の測定結果を基に,血圧が生じる機構の効果的な学習ができた.教育において,「楽しさ」を取り入れることは,その学習効率をあげるための重要なファクターであると考えられる.