2019 年 3 巻 論文ID: 2018-036
平成25年度に改訂された薬学教育モデル・コアカリキュラム(改訂コアカリ)では,実務実習で継続的に広く関わる必要がある「代表的8疾患」が提示された.そこで,改訂コアカリ施行前の北里大学病院・東病院(当院)の実務実習における代表的8疾患の実習状況を調査した.病棟実習では学生1人あたり最小1疾患から最大6疾患,平均3.3疾患に関わっていた.半数以上の学生が関わった疾患は,がん,高血圧症だった.代表的8疾患に該当しない「その他の疾患」に関わることも多いことが明らかになった.今回の調査により,代表的8疾患を病棟実習のみで全学生に継続的に広く関わらせることは困難だった.そのため,薬局実習で学生が実習した疾患を聴取し,未実習の疾患を実習できる病棟へ優先的に配置するなどの配慮が必要であることが明らかになった.