障害者差別解消法の施行に伴い,すべての大学において学生を含む障がい者への差別的取り扱いの禁止が義務化された.このため,各大学において障がいを有する学生への支援,合理的配慮が提供され始めたが,個人情報保護法等に十分配慮しながら,薬学教育における具体的な支援事例を紹介し,議論する機会を設けること,また,合理的配慮に精通した教職員による事例紹介と薬学教育への応用に関して議論することは,障がいを有する学生への支援および合理的配慮を提供するうえでの注意点やあり方を共有できる貴重な機会といえる.本稿では,姫路獨協大学での支援事例として,高学年学生ノートテイカーによる支援や音声変換システム等の導入による支援の試みについて,支援を試みた教員の意見および支援を受けた学生の意見を紹介する.