薬学教育
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原著
4年間の実践を経た学生を対象としたピア評価に関する意識調査
安原 智久小坂 哲也串畑 太郎永田 実沙上田 昌宏栗尾 和佐子曽根 知道
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2021 年 5 巻 論文ID: 2020-045

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抄録

これまでピア評価に対する研究は,特定の科目で実施されたピア評価に対して行われており,科目での説明や実施方法,結果の取り扱い方,科目あるいは担当教員に対する学生の印象が影響を与えている可能性が否定できない.そこで,4年間で18科目31回のピア評価を経験した学生を対象にピア評価に関するアンケート調査を行い,学生の持つピア評価への印象や評価への姿勢を分析した.2019年度4年生195人に対してアンケートを配布し,180人(92%)から有効回答を得た.その結果,学生はピア評価に対して,成績を左右することや評価基準に揺らぎが起こりうる要素があることを懸念しながらも,ピア評価の持つ有用性を十分に理解し,教員のみの視点ではない評価の存在,ピア評価におけるフィードバックの価値を高く評価していることが示唆された.また,学生はピア評価の妥当性を高め,自らを評価者として厳格に位置づけようとする意識も持ち合わせていることが示唆された.

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© 2021 日本薬学教育学会
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