2022 年 6 巻 論文ID: 2022-025
救急・集中治療は,臨床実習の中で専門領域に位置付けられている.救急・集中治療では,薬剤師の積極的な介入が安全な薬物治療の提供につながること,患者の状態の変化が激しいため薬物動態変化の予測が立てづらく,数時間単位から毎日のアセスメントを繰り返し,薬物治療を適宜修正する必要がある.当院では実習期間中に身につける資質として「常に考え続け,臆さず積極的に行動できる」ことを意識して臨床実習を行っている.実習生は救急薬剤師をテーマとしたディベートを通じて,薬剤師が参画する意義を常に考えることの重要性を学ぶ.また,Intensive care unit(ICU)実習では指導薬剤師が実習生の自ら考えた薬物治療に責任を持たせるよう接することで,自分の知識を総動員し,薬物治療について考えることを経験する.第一線で活躍できる薬剤師を育てるために,常に考え続け積極的に介入していく資質を,臨床実習を通して実習生が身につけることが望ましい.