2022 年 6 巻 論文ID: 2022-011
平成25年に改訂された薬学教育モデル・コアカリキュラムは,6年制薬学部教育の本格的な薬剤師育成を目標にしたカリキュラムとして提示された.そこに示された重要な改訂の観点が効果的に実施されているかについて考察した.学習成果基盤型教育の実践については,一般目標,到達目標という形式の記載の中で,薬剤師が身に付けるべき能力の目標が明確でなく,それが薬学臨床教育の効果的な評価を困難にしている.参加・体験型の実務実習,代表的な疾患については,理解され広がっているが,学生が本当に臨床の実践的能力を向上させたかについて,未だ課題が多い.臨床薬学教育の卒業時までの一貫した評価を提示することは,これらの課題解決のためにも必要であると考えている.上記の考察等から,これから改訂されるモデル・コアカリキュラムの方向性について論じてみた.