薬学教育
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原著
臨床薬剤師のルーブリック評価における習熟度の検証と非専門的能力の関係性の検討
土屋 裕伴新井 亘塚田 昌樹松木 祥彦増田 裕一
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2024 年 8 巻 論文ID: 2023-045

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抄録

臨床薬剤師のルーブリック評価の有用性について第一報で報告を行った.その中で,パフォーマンスの習熟度を可視化することや,非専門的な能力を評価することが課題となった.ルーブリック評価表に習熟度を設定し,社会人基礎力とメタ認知能力の関係性を検証した.2021年4月に入職した15病院,35名を対象とし,改訂した評価表を用いて2年間で評価した.改訂後の評価表は信頼性と妥当性が示された.習熟度を含めた評価では,2年後の総得点は中央値66.2点(四分位範囲(IQR):55.4–72.8)であった.社会人基礎力の総得点は中央値148点(IQR:134.5–157),メタ認知能力の総得点は中央値113点(IQR:104.5–126)であった.重回帰分析により,臨床薬剤師としてのパフォーマンスにはメタ認知的コントロールが強く関連していることが示された.習熟度の設定により個々の能力の差が適切に評価された.個人の資質や特性も含めて非専門的な能力を広く育成していくことが求められる.

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