2024 年 8 巻 論文ID: 2024-011
帝京大学薬学部では,医療面接におけるコミュニケーション能力の向上を目的として,5年次に模擬患者(SP)参加型の演習を2010年度から実施しているが,受講学生は履修時期によって実務実習の経験の有無が異なっていた.そこで,本演習を受講した学生の医療面接におけるコミュニケーションスキルに関する自己評価および振り返りの内容を実務実習の経験の違いにより分析し,SP参加型演習の実施時期による学びの違いについて検討した.その結果,【患者とリラックスしてコミュニケーションをとる】,【副作用発現を予測する】,【患者が訴えた症状を詳細にきき出す】については,実務実習の経験を経るにしたがって受講前と比べて受講後の自己評価の増加率が大きくなることが示された.また,シミュレーション後の振り返りから,実務実習の経験により学びの深さが異なり,他学生の模擬医療面接からの学びを意識することが分かった.