2022 年 11 巻 1 号 p. 37-45
目的:民生委員が行う一人暮らし男性高齢者への支援内容を明らかにすることとした.
方法:A市の民生委員10人に半構造的インタビューを行い,質的記述的に分析した.
結果:支援内容は,【警戒心を和らげ拒否されないよう手を差し伸べる】【生活や健康へのリスクを察知し回避するよう支援する】【孤立に寄り添い家族や地域とつなぐ】【最後の生命線の砦となり緊急時の対応を行う】【地域の暮らしの中で見守りを行う】【日頃から健康や生活の維持・継続を後押しする】【地域包括支援センター等と連携しタイムリーにサービスにつなげる】であった.
考察:民生委員は,地域住民の身近な相談相手や見守り役として行う支援を基盤にしながら,一人暮らし男性高齢者の特徴を捉えた支援を行っていた.支援内容を民生委員間や関係機関と共有することにより,支援が難しい一人暮らし男性高齢者への支援の具体的な実践や連携の場において活用できると考えられる.