日本公衆衛生看護学会誌
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11 巻, 1 号
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巻頭言
研究
  • 伊藤 由紀恵, 巽 あさみ, 渡井 いずみ
    原稿種別: 研究
    2022 年 11 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/28
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    目的:妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:以下,GDM)と診断された女性が出産1年後にフォローアップ検診を受診した理由を明らかにする.

    方法:出産1年後のフォローアップ検診を受けたGDM既往女性を対象に半構成インタビューを実施し,質的帰納的に分析した.

    結果:研究協力者は13名であった.分析の結果,18カテゴリが生成され,【将来糖尿病になりたくない】【産後も検査が続くことを理解している】【自分の生活習慣を見直す機会となる】【医師からの助言で安心したい】【周囲から検査を後押しされる】【子育て中でも安心して受診できる条件がそろっている】の6メインカテゴリが生成された.

    考察:GDM既往女性は,医療者からの説明や子供を思いやる気持ちなどから糖尿病になりたくない気持ちを抱き,自分自身の健康のために産後も検査を継続していた.他者から検査を後押しされることや育児中でも安心して受診できる環境がそろっていることは継続受診に効果的であった.

  • ―研修受講状況と経験年数群による比較―
    森鍵 祐子, 赤間 由美, 小林 淳子
    原稿種別: 研究
    2022 年 11 巻 1 号 p. 11-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/28
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    目的:行政機関に働く保健師の事業評価に対する重視度と実施度を,研修受講状況と保健師経験年数群の比較により明らかにする.

    方法:山形県内の保健師全432名に,研修受講状況と事業評価に対する重視度と実施度に関する無記名自記式質問紙調査を行った.研修受講状況と経験年数群による重視度と実施度の差をMann-Whitney U検定で分析した.

    結果:有効回答200名で,地域診断研修受講あり61.5%,施策形成研修受講あり44.5%,事業評価研修受講あり53.0%であった.重視度は概ね高かった.新任期は地域診断で,中堅期は地域診断と施策形成で,管理期は地域診断と事業評価で,研修受講ありはなしに比べ実施度が高い項目が複数あった.

    考察:地域診断研修は各経験年数群で有意差が認められ,実施度を高めるのに有用と考えた.中堅期では施策形成を,管理期では事業評価の研修の活用が,事業評価の推進につながる可能性が示唆された.

  • 渥美 綾子, 安齋 由貴子
    原稿種別: 研究
    2022 年 11 巻 1 号 p. 27-36
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/28
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    目的:市町村保健師(以下,保健師)が行う保健推進員への支援内容を明らかにする.

    方法:保健推進員への支援経験がある保健師13名に半構造化インタビューを行い,質的帰納的に分析した.

    結果:保健師が行う保健推進員への支援内容は,[保健推進員の活動方針や活動内容への理解を促すための支援],[保健推進員活動への意欲を高め,活動を継続できるための支援],[保健推進員が活動を主体的に行えるための支援],[保健推進員の活動環境を整えるための支援]であった.

    考察:住民が保健推進員として就任した後,保健師は保健推進員活動を理解して活動ができるように支援していた.そして,保健推進員が活動を意欲的に行い,最終的に保健推進員が主体的に組織として自立して活動ができるように支援していた.また,地域の関係者や行政組織内の調整を行い,保健推進員の活動が円滑にできるように支援していることが示唆された.

  • 青柳 玲子, 小林 恵子, 齋藤 智子, 成田 太一
    原稿種別: 研究
    2022 年 11 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/28
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    目的:民生委員が行う一人暮らし男性高齢者への支援内容を明らかにすることとした.

    方法:A市の民生委員10人に半構造的インタビューを行い,質的記述的に分析した.

    結果:支援内容は,【警戒心を和らげ拒否されないよう手を差し伸べる】【生活や健康へのリスクを察知し回避するよう支援する】【孤立に寄り添い家族や地域とつなぐ】【最後の生命線の砦となり緊急時の対応を行う】【地域の暮らしの中で見守りを行う】【日頃から健康や生活の維持・継続を後押しする】【地域包括支援センター等と連携しタイムリーにサービスにつなげる】であった.

    考察:民生委員は,地域住民の身近な相談相手や見守り役として行う支援を基盤にしながら,一人暮らし男性高齢者の特徴を捉えた支援を行っていた.支援内容を民生委員間や関係機関と共有することにより,支援が難しい一人暮らし男性高齢者への支援の具体的な実践や連携の場において活用できると考えられる.

活動報告
  • ―地域診断実習を受け入れた住民や保健師の思いと行動および保健活動の変化―
    小林 恵子, 成田 太一, 齋藤 智子
    原稿種別: 活動報告
    2022 年 11 巻 1 号 p. 46-54
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/28
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    目的:離島において,住民や保健師と協働し地域診断実習を実施し,住民および保健師の意識や行動,保健活動の変化を明らかにすることにより,実習への示唆を得ることを目的とした.

    活動方法:2012~2016年度までの5年間,地域診断実習を実施し,最終年度の実習終了後に,住民代表者5人,保健師6人を対象にフォーカス・グループ・インタビューを行い,実習を受け入れたことによる思いや行動,保健活動の変化について明らかにした.

    活動結果:住民代表者からは【住民の健康意識の高まりと実践】【学生と住民との交流による地域の活性化】等の3つのカテゴリが生成された.保健師からは【実習を契機とした集中的な地区活動の展開】【保健師としての活動の原点への気づき】等の5つのカテゴリが生成された.

    考察:離島における5年間の地域診断実習により,住民の健康意識の向上と地域の活性化,保健師の実習を契機とした集中的な地区活動の展開と活動の原点の気づきにつながったと考えられる.

第6回国際保健師ネットワーク学術集会学術集会 学術集会会長講演
第10回日本公衆衛生看護学会学術集会学術集会 学術集会会長講演
倫理委員会報告
認証制度検討委員会報告
災害・健康危機管理委員会活動報告
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