目的:事業実装における保健師の重要度の認識と実施度の実態と課題を明らかにする.
方法:全国の都道府県・保健所設置市の本庁・保健所に勤める保健師を対象とし,事業実装点検シート31項目を用いた郵送自記式質問紙調査を行った.
結果:有効回答数は702であった.重要度・実施度の合計得点の1項目(0–5)当たりの平均は,順に4.2,3.7であった.保健師経験5年以下,6年以上役職無,6年以上役職有の3群比較において,重要度では24項目で有意差がなかった.一方実施度では28項目で有意差が見られ(P<0.05),6年以上役職有群が他の2群より31項目すべてで高値であった.
考察:保健師の事業実装に対する重要度の認識は全体的に高いものの,実施度はそれに比し低く,キャリアレベルによって差がある実態が明らかになった.今後は,キャリアレベルの特徴に応じた能力開発と体制整備が必要であることが示唆された.