日本公衆衛生看護学会誌
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研究
中壮年期のソーシャルキャピタルの構成要素と地域共生意識との関連
大西 恵理後閑 容子石原 多佳子
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2016 年 5 巻 1 号 p. 37-46

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抄録
目的:中壮年期を対象にソーシャルキャピタルの構成要素と地域共生意識との関連を明らかにし,地域における中壮年期からの社会参加を促進するための資料を得ることを目的とする.
方法:A県Y市に住所を有する日本人40歳代,50歳代のうち1,020名を対象に郵送による無記名自記式質問紙調査を行った.
結果:有効回答295名を解析対象者とした.ソーシャルキャピタルは【信頼】と【つき合い・交流】間のみ関連が認められた.地域共生意識に影響を与えているソーシャルキャピタルの項目は『一般的な信頼』『近隣でのつき合い』〈職場の同僚とのつき合いの頻度〉(F(3.260)=51.77 p<0.01)であった.
結論:中壮年期世代のソーシャルキャピタルの「構成要素」は【信頼】,【つき合い・交流】間にのみ関連があり,【社会参加】との関連は認められなかった.地域共生意識と近隣や職場の同僚とのつき合いに関連が認められたことから,中壮年期世代が従来から活動している身近な場所において社会参加への支援を行うことは,地域における中壮年期からの社会参加活動支援に対し有効である.
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© 2016 日本公衆衛生看護学会
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