日本公衆衛生看護学会誌
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研究
自治体で働く事務職と保健師がとらえる保健師の仕事に関する認識
麻原 きよみ小野 若菜子大森 純子橋爪 さつき井口 理池谷 澄香小林 真朝三森 寧子宮崎 紀枝長澤 直紀佐伯 和子留目 宏美
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2019 年 8 巻 2 号 p. 80-88

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抄録

目的:自治体で働く事務職と保健師が,両者が関わる中で保健師の仕事をいかに認識しているのかについて記述した.

方法:2つの自治体の事務職10名,保健師15名に対するインタビューを中心として参加観察,資料の検討を行い,質的に分析した.

結果:事務職については〈事務職がもつ基準で保健師の仕事をとらえる〉〈事務職と同じ行政職としての仕事を求める〉のカテゴリと4つのサブカテゴリ,保健師については〈保健師の仕事と専門性が理解されない〉〈行政組織の一員として保健師の仕事をするために努力する〉のカテゴリと4つのサブカテゴリが抽出された.

考察:事務職は官僚制組織の特性を示す基準,保健師は専門職の基準で保健師の仕事をとらえていること,そこには組織内の集団間パワーバランスが関連していると考えられた.保健師は事務職とは判断基準が異なることを前提として,協働のあり方や基礎・現任教育を考える必要がある.

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© 2019 日本公衆衛生看護学会
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