目的:前期高齢者の他者とのつきあいと孤独感との関連を明らかにする.
方法:A県の3町に居住する要介護認定を受けていない65~74歳600名を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した.調査項目は,個人要因,他者とのつきあい,孤独感(AOK孤独感尺度)で構成し,分析は,孤独感を従属変数とする多重ロジスティック回帰分析を用いた.
結果:調査票は回収数299部,有効回答数292部(有効回答率48.7%)であった.孤独感の平均得点は1.41±2.17点であった.友人と会うことに満足していない(OR=5.72),近所の者と会う頻度が月に数回以下(OR=2.94),近所の者と会うことに満足していない(OR=3.15),情緒的サポート受領の相手がいない(OR=2.81)者ほど孤独感を感じていた.
考察:退職などにより生活が変化し,地域への適応が望まれる前期高齢者の孤独感に対して,近所の者との定期的な接触や,友人および近所の者との間に,会えば満足感が得られる充実した関係を構築・維持することの重要性が示唆された.
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