日本植物病理学会報
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農藥補助劑に關する研究(第3報)
表面活性劑の浸透力と〓質物との關係並び其の殺菌劑の効力と藥害に及ぼす影響
廣田 幸喜角 博次吉村 成芳桑田 五郎
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1953 年 18 巻 1-2 号 p. 33-36

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抄録

1) 表面活性劑 Alkyl aryl polyether alcohol と魚油カリ石鹸溶液の砂柱に對する浸透力を調べた結果砂の Paraffin 含量に依り次の3種の異つた特徴ある傾向を得た。
a) 砂柱が Paraffin を全く含まない場合, 砂柱に對する活性劑溶液の上昇度はその濃度の増加に從つて減少する。
b) 砂が Paraffin を12∼0.37%程度含む場合は活性劑の0.005%液附近にて浸透度は最高となり濃度の増加に從い漸次減少する。
c) 砂柱が Paraffin を0.45%程度以上含む場合活性劑溶液の0.05%附近迄活性劑の影響は全く現れず1%以上になつて初めて浸透が見られる。
2) 殺菌劑 Phenyl mercuric acetate の液に活性劑を添加する時活性劑の0.005∼0.05%附近で殺菌力は最高を示し活性劑の増加と共に低下する。これは砂柱試驗の上記 b) の場合と關連性が考えられた。
3) 小麥種子を Phenyl merculic acetate 液に浸透した場合の藥害は活性劑0.5%添加以上に於いて影響が現れ上記 c) の場合との關連性が考えられる。
又同樣な方法で種籾を處理した場合藥害は活性劑を0.005%添加した附近に於いて最高を示し漸次減少の傾向を取り前記砂柱に於ける b) の場合と似た傾向を示した。この2つの種子に對し活性劑の藥害作用が異つた傾向を示す事は興味ある事でその原因は含有されている〓質物の組成や含量の相違に依るものと推測される。尚 Phenyl mercuric acetate に魚油石鹸を添加した場合はそのアルカリに依り主藥の變化を來たし以上の樣な傾向は示さなかつた。
以上表面活性劑と〓質物との關係に就いて實驗し, この研究に依つてこの間に特徴ある傾向を見出した。この傾向は殺菌劑の殺菌力並藥害に重大なる影響を與えるものと推定した。

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