日本植物病理学会報
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米粒上に着生する黄色細菌に関する研究
III. 分離した菌種の形態と生理について
松野 守男
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1967 年 33 巻 4 号 p. 223-229

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抄録
秋田産新米の健全米よりErwinia属1菌種,Pseudomonas属2菌種の細菌を分離した。Erwinia属の1菌種はErwinia herbicola (Düggeli 1904) nov. comd. Dye (1964)と同定し,他の2菌種は飯塚・駒形のPseudomonasフルオレッセント・グループに属していた。
Erwinia herbicolaは周べん毛,最高発育温度,糖よりガスの生成,でん粉含有のペプトン有機培地で酸を生成する以外は飯塚・駒形のP. trifoliiの記載に一致した。フルオレット・グループ2菌のうち1菌種は3本の極べん毛,2-ケトグルコン酸化性以外はP. straminea Iizuka et Komagataの記載と一致した。他の乳白色の菌はP. schuylkilliensisと考えられ,微量の硫化水素発生,サルチル酸の資化性以外は飯塚・駒形の記載と一致した。なお3菌種とも新米粒に病原性が認められなかつた。
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