抄録
コムギ品種農林61号(抵抗性弱)とユキチャボ(強)への雪腐褐色小粒菌核病菌(Typhula incarnata)の侵入過程を光学顕微鏡で観察した。本菌の菌糸による葉身への侵入方法として,気孔侵入および集合菌糸による角皮侵入が接種3日後に両品種において観察された。接種3∼6日後の葉身への本菌の侵入率を比較すると,わずかではあるが,常に農林61号の侵入率の方がユキチャボのそれより高く,また第3葉における侵入速度も農林61号の方が速かった。これらの結果から,本菌に対するコムギの抵抗性の品種間差は,侵入過程においてもわずかに存在するものと考えられた。