日本植物病理学会報
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イネいもち病の疫学的研究 (III)
自然条件下でのいもち病菌分生胞子の離脱と飛散
金 章圭閔 洪植吉野 嶺一
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1990 年 56 巻 3 号 p. 315-321

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抄録
イネいもち病菌分生胞子の自然環境下での葉いもち病斑からの離脱と飛散について,1987年7月に,韓国利川市の圃場において,3種の胞子採集器を用いて,1時間ごとに調査を行った。晴天条件下では,自然感染病斑からの胞子離脱数と圃場での胞子飛散数のいずれにも,午前7時ごろに大きなピークが認められた。曇天条件下では,午前1時前後から胞子離脱数あるいは飛散数が増加し,午前9時までの間に二つのピークが観察された。また,曇天条件下の7月14∼15日には,気温約22C,相対湿度93%以上の状態が長時間継続し,このような条件下で形成,離脱,飛散した分生胞子の大部分が有効侵入を行ったものと考えられた。
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