日本植物病理学会報
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キュウリモザイクウイルスY系統(CMV-Y) RNA2の全塩基配列
片岡 二郎増田 税高浪 洋一
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1990 年 56 巻 4 号 p. 495-500

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抄録
CMV RNA2の完全鎖長に相同な連続したcDNAをおもにガブラー&ホフマン法により作出し,その全塩基配列をダイデオキシ法により決定した。5'および3'末端のcDNAにはそれぞれ制限酵素PstIとNotIの認識配列を合成プライマーにより付加した。RNA2は3,051塩基よりなり,その翻訳産物にはGDDで示されるpolymerase siteと一致する配列が存在し,その近傍の配列の特徴もよく保存されていた。他のCMV系統RNA2と塩基配列の比較を行ったところ,Y系統はFny系統ときわめて高い相同性(98.4%)を示したがQ系統との相同性(71.4%)はあまり高くなかった。これらの結果からCMV-YはCMV-Fnyが属するSubgroup Iに分類されるものと考えられる。
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