日本植物病理学会報
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ベンズイミダゾール系薬剤とジエトフェンカルブとの負相関交差耐性を利用したキュウリ褐斑病の防除
挾間 渉森田 鈴美加藤 徳弘
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1991 年 57 巻 3 号 p. 319-325

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抄録
ジエトフェンカルブ(NPC)はCorynespora melonisのベンズイミダゾール(BI)系薬剤耐性菌に対し,野生型である感性菌と比べて高い抗菌活性を示し,BI系殺菌剤との間に明確な負相関交差耐性が認められた。幼苗を用いた鉢試験でも,NPCおよびこれを含む製剤であるチオファネートメチル・ジエトフェンカルブおよびプロシミドン・ジエトフェンカルブの各水和剤はBI耐性菌によるキュウリ褐斑病の発病を強く抑制し,予防効果と治療効果が認められ,圃場試験においても両製剤は高い防除効果を示した。褐斑病菌のBI系剤に対する最低生育阻止濃度の頻度分布は2峰型であり,中等度耐性菌は認められず,また,BIおよびNPCの両剤耐性菌も認められないことから,NPCのもつBIに対する負相関性はキュウリ褐斑病に適用可能である。
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