1991 年 57 巻 5 号 p. 729-731
静岡県賀茂郡東伊豆町および浜松市のルスカス栽培ほ場において斑点性病害が発生した。病斑からはつねにYP寒天培地上で白色のコロニーを形成する細菌が分離され,培養性状および生理学的性質より,Pseudomonas andropogonisと同定された。分離菌はカーネーション,ストレリチア,トウモロコシ,チューリップに病原性があったが,シロクローバーには病原性がなかった。インゲンマメに対する病原性は明瞭ではなかった。Pseudomonas andropogonisによるルスカスの病害は本邦未報告なので,本病を「ルスカス褐斑細菌病」と命名したい。