心身医学
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心身症としてのめまいをどこまで耳鼻咽喉科で診るか(シンポジウム:めまいに対する心身医学的アプローチ,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
室伏 利久
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2014 年 54 巻 8 号 p. 760-766

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抄録

めまいを訴える症例において,どのような評価を行い,耳鼻咽喉科での診療と心療内科,あるいは精神神経科における診療をどのように振り分け,あるいは,組み合わせているのかについて,耳鼻咽喉科医の立場から述べた.最初に明らかにすべきは,身体疾患の有無である.さらに,身体疾患の有無にかかわらず,心理的要因の関与の程度の評価を行う.耳鼻咽喉科医の基本的スタンスを要約すると,以下のようになる.(1)身体疾患が認められ,心理的な要因が軽度なものについては,そのまま,耳鼻咽喉科で診療する.(2)身体疾患が認められ,かつ心理的要因の関与が大きいと判断されるものについては,心療内科あるいは精神神経科の医師による診療を併せて行う.(3)身体疾患を指摘できないが,心理的な要因も明らかではない場合は,経過観察とし,(4)身体疾患は指摘できず,精神神経疾患の一症状としてのめまいと考えられる場合には,精神神経科における診療を勧める.

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© 2014 一般社団法人 日本心身医学会
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