高齢者が抱える問題の1つにサルコペニアがあり, リハビリテーション (リハビリ) の効果が期待されている. サルコペニアに対しては, たんぱく質の適切な摂取, レジスタンス運動を含んだ運動プログラム, 低負荷であっても高反復回数実施し, トータルの運動量を増やすことなどが重要であると考えられている. 入院患者に対しては, これらを組み合わせた適切なリハビリの提供はもちろんだが, 患者が自主的に運動を実施できるよう支援することも大切である. 患者の自主性を育むことがトータルの運動量確保につながり, よりよいリハビリ結果をもたらすと考える. 本稿は前半でサルコペニアに関する知見を, 後半では当院での運動量確保, 自主性向上のための工夫を紹介する.