2008 年 21 巻 2 号 p. 172-175
症例は11歳,女児。生下時よりEllis-van Creveld症候群 (EvC症候群) と診断され,経過観察されている。平成18年の学校検尿で軽度の尿蛋白を指摘された。近医を受診し,早朝尿蛋白および臥床での尿蛋白が陰性であったことなどから起立性蛋白尿と診断された。翌年の学校検尿でも尿蛋白を指摘され,早朝尿蛋白も軽度陽性となっていたが,この時は精査されなかった。EvC症候群の定期受診の際に高血圧に気付かれ,血液検査で腎機能低下が判明し当科に紹介入院となった。腎生検の結果はネフロン癆に合致する所見であったため,腎機能の回復は困難であると判断した。患児は現在,腹膜透析を実施しながら腎移植待機中である。