抄録
12歳時に学校検尿を契機に発見された腎限局型のANCA関連腎炎の女児例を経験した。急速進行性糸球体腎炎を呈し,ステロイドパルス療法により改善がみられたが2ヵ月後の腸炎に伴う増悪時にはその時の組織所見で硬化性変化が進行していた。経口プレドニゾロン (PSL),ミゾリビン (MZB) を含むカクテル療法を続けていたが,蛋白尿・血尿が持続し,約半年後には,陰性化していたMPO-ANCA値が漸増傾向を示した。4ヵ月間にわたりintravenous pulse cyclophosphamide (IVCY) を施行したがANCA陰性化には至らず,現在も血尿・蛋白尿が持続している。