日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245
原著
リツキシマブ投与3ヵ月後に無顆粒球症を呈したステロイド依存性頻回再発型ネフローゼ症候群の7歳男児例
平本 龍吾松本 真輔江口 広宣三好 義隆小森 功夫秋草 文四郎柴田 佐和子亀井 宏一飯島 一誠
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 22 巻 2 号 p. 97-101

詳細
抄録

 小児の難治性ネフローゼに,リツキシマブが投与され有効であるとの報告が散見される。自験例のステロイド依存性頻回再発型ネフローゼ症候群 (微小変化型) の7歳男児に対し,リツキシマブ (1回375mg/m2) を計4回投与し,有効であった。しかし,投与3ヵ月後に発熱を伴う重篤な無顆粒球症 (好中球0%) を起こした。G-CSF使用により,好中球は速やかに回復している。リツキシマブが投与された他疾患では遅発性 (1~5ヵ月) の好中球減少症発現の報告がある。多くはG-CSF投与で,もしくは自然に回復しているが,好中球減少症が1年続いた例も報告されている。文献上ネフローゼでの報告は見当たらない。小児の難治性ネフローゼに対して,今後リツキシマブの使用頻度が増えることが予想されるが,投与した場合は,少なくとも投与終了後1年間は,重度の遅発性好中球減少症の発現に関して,慎重な経過観察が大切と考えられる。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top