抄録
運動後急性腎不全 (ALPE) は腎性低尿酸血症での合併が知られており,その病態として活性酸素による腎血管攣縮や尿細管の尿酸結晶による閉塞などが提唱されている。しかし,低尿酸血症を来さないALPE症例もあり,発症機序は未だ不明な点が多い。今回われわれは,低尿酸血症を伴わないALPE症例において,酸化ストレスと抗酸化作用に着目して病態の解明を試みた。
症例は13歳10か月の男児で,運動後の頭痛,腹痛等で発症し,クレアチニン5.9mg/dlと腎機能低下を認めたが,低尿酸血症は認めなかった。運動負荷試験を行い,正常コントロールと比較検討した。酸化還元力分析においてコントロールで負荷後の還元力が上昇したのに対して症例では低下し,酸化度/還元度比がコントロールでは低下,症例では上昇した。ALPEの病態として,低尿酸血症の有無に関わらず,酸化ストレスと抗酸化力のアンバランスが関与している可能性が示唆された。