抄録
記憶探索課題中に20名の被検者から事象関連電位 (ERP) を測定した.各試行では, 5個の記憶項目一覧を提示した後にテスト項目1個を提示し, 被検者はテスト項目が記憶項目中に含まれていたものか否かボタン押し判断をした.用いた項目は全て単語とし, 5個の記憶項目は全て同じ意味カテゴリに属するものとした (例, “玄関”, “階段”, “寝室”, “車庫”, “食堂”).テスト項目として, 記憶項目である標的項目 (例, “食堂”, “yes” 反応), 記憶項目と同じ意味カテゴリに属する関連項目 (例, “居間”, “no” 反応), 記憶項目とは異なる意味カテゴリに属する非関連項目 (例, “改札”, “no” 反応) の3種類を用意した.関連項目に対する反応時間は非関連項目に対する反応時間よりも延長していたが, 関連項目に対するN400振幅は非関連項目と比較して減少していた.