抄録
この研究の目的は, 呼吸の随意的瞬時統制が反応時間とSTAI-1に及ぼす影響について, 検討することであった.被験者は, CRT上の刺激に対するボタン押し反応に呼吸の随意的瞬時統制を行った.その結果, 呼吸統制条件の方が自発呼吸条件よりも, 反応時間が短く, また, STAI-1の得点が高かった.これらの結果は, 呼吸の随意的瞬時統制を行うと, 被験者の集中力を高め, パフォーマンスを向上させることを意味している.これらの結果はまた, 呼吸の随意的瞬時統制法が, 運動パフォーマンスを促進する可能性を示唆している.