生理心理学と精神生理学
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音声単語の反復効果と聴覚事象関連脳電位 : 音響的特性の影響
治部 哲也沖田 庸嵩八木 昭宏
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1999 年 17 巻 1 号 p. 9-19

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抄録

1回目呈示と2回目呈示が同声 (男声-男声あるいは女声-女声) の場合と異声 (男声-女声あるいは女声-男声) の場合で聴覚事象関連脳電位における反復効果を比較した.被験者の課題は疑似単語検出であった.単語・疑似単語ともに同声・異声にかかわらず直後反復にN300が惹起された. N300の発達量は異声よりも同声で大きかった・また, 直後反復・遅延反復ともにN400を観察した.N400減衰に同声・異声の違いはなかった.これらN300とN400における2種類の反復効果は, それぞれ音響レベルと意味レベルにおける刺激の処理と関連づけて論議された.さらに, 疑似単語の直後反復でみられた右前頭部優勢の陰性電位は, アラートネスシステムの賦活を反映すると考えられる.

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© 日本生理心理学会
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