生理心理学と精神生理学
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文字属性分類の課題切り替え-事象関連脳電位を用いた研究-
梅林 薫沖田 庸嵩清水 遵
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2006 年 24 巻 3 号 p. 237-247

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抄録

実験参加者が連続する試行で課題を切り替えたり, 先行課題を反復したりしている状態で事象関連電位と反応時間が測定された。課題は標的文字の1つの属性に注意を払い, 1つの課題では母音/子音, 別の課題では大/小文字の属性を分類することであった。標的文字に先行する手がかりが, 現行試行の課題予期に有効でない場合, 課題切り替えは課題反復と比較して, 反応時間が延長した。一方, 有効な予期的手がかりは切り替え効果を消失させた。手がかりERPsは課題切り替え試行の予期によって後頭部電極の陽性変化を示した。切り替えの有無にかかわらず, 予期的手がかりは側頭/後頭のN160と重複する標的文字ERPsの比較的初期の陰性変化と関連がみられた。その後の潜時期間において, 標的ERPsの切り替え効果が認められ, それは予期的手がかりのない試行において, 顕著で持続的であった。本知見は課題刺激呈示以前における課題処理システムの事前的な再構築を示唆し, さらに課題要請に依存した異なる諸過程の切り替え操作を認めた。

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© 日本生理心理学会
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