生理心理学と精神生理学
Online ISSN : 2185-551X
Print ISSN : 0289-2405
24 巻 , 3 号
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  • 望月 芳子, 田中 秀明, 竹内 成生, 高澤 則美, 山崎 勝男
    2006 年 24 巻 3 号 p. 219-226
    発行日: 2006/12/31
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    本研究ではCNVパラダイム (警告刺激 (S1) 一命令刺激 (S2) -運動反応 (MR)) を用い, 随伴陰性変動 (contingent negative variation : CNV) と反応時間 (reaction time : RT) を指標として, 継続的タイミング事態の脳内情報処理を時系列的に検討した。実験では刺激問間隔 (inter-stimulus interval : ISI) と試行間間隔 (inter-trial interval : ITI) を操作し, 記憶痕跡仮説 (Smith, 1968) と一時的抑制効果仮説 (Näätänen&Merisalo, 1977;Niemi&Näätänen, 1981) を検討した。その結果, ISI固定条件よりもISI変動条件で, ITI3sよりもITI10s条件で反応時間が遅延した。CNVはISI変動条件よりも, ISI固定条件でCzの後期成分が振幅増大し, S2に対する反応準備を反映することが推測できた。また, ITI3sよりもITI10s条件がFzとCzで, 前期成分から後期成分にかけて振幅増大し, その振幅増大は時間情報の記憶検索を行うために配分された注意資源を反映することが考えられた。本研究ではSmith (1968) の記憶痕跡仮説を支持できず, Näätänen他の抑制効果仮説を支持した。注意資源はS1-S2間隔の記憶痕跡減弱のために遂行された検索に配分され, 検索の問は反応準備の抑制が維持されたと考えられた。
  • 池田 大樹, 宮地 弘一郎, 林 光緒, 藤澤 清
    2006 年 24 巻 3 号 p. 227-235
    発行日: 2006/12/31
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    睡眠中の時間判断が, 自己覚醒を試みた場合と自然覚醒をした場合で比較された。参加者 (n=10) が, 睡眠実験室で通常の就寝時刻に就寝した。実験夜は, 平均睡眠時間の80%眠った後, 自分自身で覚醒するか (自己覚醒), 自然に覚醒するまで眠るか (自然覚醒) のいずれかに割り当てられた。REM睡眠開始5分後, 実験者が強制的に覚醒し, 時刻 (時間判断) と, 主観的な睡眠深度・眠気・気分を聴取した。その結果, 主観的指標には条件間で有意差が認められなかったが, 時間判断には有意差が認められた。すなわち参加者は, 自然覚醒夜に比べて自己覚醒夜の方が正確に時間を判断していた。これらの結果から, 自己覚醒を企図すると, 睡眠中に正確に時間を評価することで, 正確な時刻に睡眠から覚醒できることが示唆される。
  • 梅林 薫, 沖田 庸嵩, 清水 遵
    2006 年 24 巻 3 号 p. 237-247
    発行日: 2006/12/31
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    実験参加者が連続する試行で課題を切り替えたり, 先行課題を反復したりしている状態で事象関連電位と反応時間が測定された。課題は標的文字の1つの属性に注意を払い, 1つの課題では母音/子音, 別の課題では大/小文字の属性を分類することであった。標的文字に先行する手がかりが, 現行試行の課題予期に有効でない場合, 課題切り替えは課題反復と比較して, 反応時間が延長した。一方, 有効な予期的手がかりは切り替え効果を消失させた。手がかりERPsは課題切り替え試行の予期によって後頭部電極の陽性変化を示した。切り替えの有無にかかわらず, 予期的手がかりは側頭/後頭のN160と重複する標的文字ERPsの比較的初期の陰性変化と関連がみられた。その後の潜時期間において, 標的ERPsの切り替え効果が認められ, それは予期的手がかりのない試行において, 顕著で持続的であった。本知見は課題刺激呈示以前における課題処理システムの事前的な再構築を示唆し, さらに課題要請に依存した異なる諸過程の切り替え操作を認めた。
  • 山本 哲朗, 林 光緒
    2006 年 24 巻 3 号 p. 249-256
    発行日: 2006/12/31
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    午後の眠気の抑制には短時間仮眠が有効であることが報告されている。しかし, 短時間仮眠が運動パフォーマンスを向上させるかどうかについては検討されていない。そこで本研究は, 短時間仮眠が運動パフォーマンスに及ぼす効果を検討した。運動部に所属する男子大学生10名が実験に参加した。彼らは14 : 00に仮眠をとるか (仮眠条件), 15分間新聞を読んだ (仮眠なし条件) 。仮眠条件では, 睡眠段階2が3分間出現した時点で起こした。15 : 00より自転車エルゴメータで, 参加者の限界に至るまで運動を続けた。その結果, 運動継続時間は仮眠条件の方が27秒長かった (p<.05) 。運動中の心拍数に差はみられなかったが, 仮眠条件の方が, 主観的運動強度, 眠気が有意に低く, 活気も有意に高かった (ps<.05) 。これらの結果は, 短時間仮眠が午後の運動パフォーマンスを改善させる効果があることを示唆している。
  • 澤田 幸展
    2006 年 24 巻 3 号 p. 257-271
    発行日: 2006/12/31
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    ストレス負荷時心臓血管系血行動態の中心的指標が血圧 (BP) 反応性であるとの考え方 (澤田, 1990) を, 再び取り上げる。この考え方は, BP目標値仮説によって根拠づけられ, また, 血行力学的反応パターン仮説によって補足されるものである。最近の知見に従って, 本評論では, 恐らくもっとも影響力の強い要因であるアドレナリン作動性受容体感度に焦点を当てる。本要因は, BP目標値と実際のBP制御量との乖離を生じさせるものである。この認識から, BP反応性は個人内で比較可能である, との考え方が得られる。というのも, アドレナリン作動性受容体感度が, 比較的短期の観察では一定なためである。同様に, それらの平均がほぼ等しければ, 群間での比較も可能である。これらの考察を踏まえ, 上記の諸仮説が, 心理生理学的に興味深い二つのテーマへ適用される。すなわち, 心理生理学的虚偽検出 (被疑者内でアドレナリン作動性受容体感度が一定), 並びに, 失感情症 (失感情のある者とない者のあいだで平均アドレナリン作動性受容体感度が近似), である。
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