日本農村医学会雑誌
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原著
速乾式手指消毒剤の見直し
—床の汚れを検討する中で—
大榮 薫尾崎 隆男西村 直子森下 憲一加藤 幸男
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2004 年 53 巻 2 号 p. 118-122

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抄録
当院では, これまで速乾式手指消毒剤としてグリセリンを添加した消毒用エタノールの院内製剤を使用していた。平成13年8月, 経済効果を考慮してウエルパスを採用し, 院内製剤の廃止を実施した。しかし, その後病棟廊下に黒ずんだ汚れが目立つようになり, 速乾式手指消毒剤の影響であることが推測された。床の汚れの原因となる消毒剤を究明するため, 病棟廊下と同じ状態を再現し, 以下の薬品で実験をした。一定の枠内にウエルパス, ウエルアップ, ヒビソフト, 消毒用エタノール, 逆性石けん液, ヒビテン液, グリセリン液, 蒸留水をそれぞれ滴下し, 汚れの程度を比較検討した。逆性石けん液および逆性石けんを含むウエルパスではひどい汚れが発生し, 汚れの原因成分は逆性石けん液である事が推測された。逆性石けん液を含有しない速乾式手指消毒剤への変更が必要と考え, 経済効果も考慮した上で, 平成15年10月より消毒用エタノールにグルコン酸クロルヘキシジンを添加したウエルアップに変更した。ウエルアップに変更後は病棟廊下の汚れが明白に減少しており, 今回の見直しは有効であった。
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© 2004 一般社団法人 日本農村医学会
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