日本農村医学会雑誌
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新潟県中越地区における厚生連病院間のネットワークの活用状況とネットワーク内での精神疾患合併患者の外科手術例の検討
 
齋藤 六温榎本 剛彦角田 和彦
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2004 年 53 巻 2 号 p. 131-139

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抄録
新潟県は慢性的な医師不足状態にある。平成12年の統計では新潟県の人口10万人あたりの診療従事医師数は162.5名で全国都道府県では40番目と少なかった。 (全国平均は191.6名)
当院が所在する小千谷市を含めた医療圏全体では人口10万人あたりの診療従事医師数は124.5名であり医師不足は末期状態を呈している。
医師が不足している状況で医療の質を維持し, 救急にも対応する事はかなり困難である。この対応策の一つとして複数の病院がお互いに足りない所を補い, 助け合う事が患者サービスに直接繋がるという認識を持つようになった。新潟県厚生連ではネットワークの必要性を重視しており, 中越地域で7病院のネットワークを構築し運用している。
当院は地理的条件と病院機能面から, 長岡中央綜合病院 (長岡市), 中条病院・中条第2病院 〔精神科単科〕 (十日町市), 刈羽郡総合病院 (柏崎市) の周囲4病院間で個々の病院の特長を生かしたネットワークの運用し良い状況にある。
その内容はお互いの病院で不足している医師の助勤, 慢性期患者の受け入れ, 急性期患者の検査や治療依頼である。
中でも当院に特徴的な点は中条第2病院 〔精神科単科〕 からの外科治療を要する患者の受け入れである。
精神病薬を服用し精神科に受診 (入院) している患者さんの周術期管理は難しいと一般には理解されている。当院には精神科は無いが, 外科は積極的に精神病を合併している患者を受け入れ, 手術を施行し良好な結果を得ている。
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© 2004 一般社団法人 日本農村医学会
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