日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
東日本大震災を体験した手術室看護師の実態調査と今後の課題
小林 静香黒澤 友美
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キーワード: 地震, 手術室, 災害対策
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2014 年 63 巻 1 号 p. 61-69

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抄録
 2011年3月11日の東日本大震災時, A病院の手術室は4件の手術中で, 一時中断はしたがその後予定通り終了することができた。今回, 地震を体験した手術室看護師が実際どのような行動をしたのか, またその時の心情の実態を明らかにし, 今後の災害時の行動指針作成の参考にする。 〔方法〕手術室看護師に対し, 地震発生時・発生後の行動や心情, 手術室防災マニュアルの理解度と行動, 今後の対策について質問紙法で調査した。 〔結果・考察〕地震発生時は, 多くの看護師が不安や恐怖を感じていたが, その状況下でも患者の安全確保, 不安の軽減を図る行動を優先して行っていた。一方, 術野の清潔保持に対する注意などマニュアル記載事項の実施が不充分な事も明らかになった。災害時は速やかに, 患者の安全確保・不安を軽減させる対応が重要である。今後, フローチャートの掲示, 定期的な訓練の実施など災害対策を検討する必要がある。
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© 2014 一般社団法人 日本農村医学会
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