日本農村医学会雑誌
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研究報告
安城更生病院における新人オリエンテーションの質的向上を目指した新入職員へのアンケート調査実施の意義
井桁 千聡三浦 崇則大嶽 典子三井 千鶴永田 茜子池田 真紀小川 昭正
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2014 年 63 巻 4 号 p. 644-652

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抄録

 安城更生病院において新入職員に対して実施する研修の主目的は, 彼らが社会人として生きるための基礎知識を学ぶことである。そこで, 本研究は当院の新入職員研修 (以後, 研修と略す) の質的向上を目的に, アンケートの実施意義を評価するために行なった。研修対象者は, 2012年において138名, 2013年において143名であった。全ての対象者において, 研修を開始した時, 終了した時および6か月後にアンケート調査を行なった。研修では, 新人のための当院基本理念の教育を非常に重視してきた。研修において, より満足度の高いプログラムは当院院長により行なわれた理念教育であった。さらに, 満足度の高いプログラムは参加型の研修が多かった。すなわち, 院内見学, 医療安全, 院内感染の研修, 接遇の研修。加えて, 研修は社会人として生きるための基礎知識に対する理解度を高めたことがアンケートから得られた。さらに重要なことは, 6か月後のアンケート調査において80%以上の新人がこの研修は仕事に役立っているということを回答したことである。これらの結果は, 研修の目的を達成するための手段として, アンケートを行なうことが有用であったことを示している。

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© 2014 一般社団法人 日本農村医学会
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