1985 年 22 巻 3 号 p. 143-160
先に完成した12グレード片麻痺機能テスト(上・下肢)の標準化に引き続き手指に関する片麻痺機能テストの標準化を多施設の共同研究で行った.あわせて患側上肢の実用能力を評価する上肢能力テストをも平行して標準化した.
手指機能テストについてはまず47個のサブテスト(各種の手指・手関節肢位・動作)を107例の片麻痺患者に施行し,信頼性・妥当性の解析を通して26個を選択した.次いでこれを277例に施行し,同様の解析を通じて8個を最終的に選択した.これにより12グレードの評価が可能となった.上肢能力テストは同様に30個のサブテストから出発してまず12個をえらび,最終的に5個を選択し,これにより5レベルの評価が可能になった.これら2種のテスト間の相関係数は0.760,手指グレードと上肢グレードとの相関は0.782と高かった。