抄録
筋収縮閾値以下の電気刺激(CL-VES)が虚血骨格筋の血管新生因子であるVEGF,HGF,FGF,あるいは炎症・低酸素因子であるIL6,HIFに及ぼす影響について検討した.さらに収縮性電気刺激(IH-VES)との比較を行った.CL-VESではHGF,VEGFの増加を認めたが,IL6,HIF,FGFに関しては差異を認めなかった.IH-VESではVEGFの増加を認めたがHGFの増加を認めなかった.虚血肢に対するCL-VESは,低酸素や炎症を介さずにVEGF・HGFを増加させることにより血管新生に関与し,その機序はIH-VESとは異なる可能性が示唆された.