リハビリテーション医学
Online ISSN : 1880-778X
Print ISSN : 0034-351X
ISSN-L : 0034-351X
咽頭反射の嚥下評価における臨床的意義
徳田 佳生木佐 俊郎永田 智子井後 雅之
著者情報
キーワード: 咽頭反射, 誤嚥, 咳嗽反射
ジャーナル フリー

2003 年 40 巻 9 号 p. 593-599

詳細
抄録
嚥下障害の評価における咽頭反射の臨床的意義を明らかにするために,咽頭反射を陽性(咽頭絞扼反射あり)・やや減弱(しかめ面あり)・減弱(わずかにしかめ面あり)・消失(無反応)の4段階に評価し,ビデオ嚥下造影(VF)上の誤嚥所見との関係を検討した.嚥下障害でVFを施行した67例の咽頭反射は,消失と減弱で79%を占め,片麻痺,痴呆症状,両側・多発病巣が影響していた.VF上の誤嚥所見には,両片麻痺,咽頭反射,水飲みテストが影響しており,誤嚥に対して両片麻痺は特異度90%,水飲みテストでのむせは感度91%を示した.水飲みテストでむせがあり咽頭反射消失の場合VF上の誤嚥は73%と高率であった.むせがない場合,咽頭反射陽性~減弱では誤嚥も喉頭侵入も無かったが,咽頭反射消失では誤嚥または喉頭侵入が60%を占めた.ベッドサイドでの咽頭反射と水飲みテストの評価で,誤嚥リスクをある程度予見可能と考えられた.
著者関連情報
© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top