2016 年 53 巻 10 号 p. 774-778
膝関節は,骨,靱帯,筋肉のそれぞれが合わさって屈曲と伸展だけではなく,屈曲に伴う大腿骨-脛骨間のrollback motionと外旋運動を認める.変形性膝関節症では,一部に内旋運動を認める症例があり,正常膝とは異なる動態を認めた.2D/3Dレジストレーション法を用いた人工膝関節術後の動態解析では,大腿-脛骨コンポーネント間の屈曲角度は平均120°程度であった.脛骨に対する大腿骨の外旋運動は認められるものの,その回旋量は約10°前後と正常膝に比べて少なかった.またキネマティックパターンはさまざまであり,インプラントの表面形状,手術手技により規定されている可能性が高かった.