2016 年 53 巻 3 号 p. 223-227
日本リハビリテーション・データベース協議会(Japan Association of Rehabilitation Database:JARD)が運用するデータベース(Japan Rehabilitation Database,以下JRD)には,脳卒中(一般病棟・回復期リハビリテーション病棟),大腿骨頸部骨折,脊髄損傷の患者データが登録されており,2014年度末における累積症例数は23,067例に達した.JRDを利用した論文は徐々に増え2015年10月現在31編ある.多施設データの利点は,症例数の多さと一施設にとどまらない知見を導ける点にある.一方で,参加施設が累積でも60施設と少ないことや欠損値などデータの質に改善の余地があるなどの課題もある.JRDがより代表性の高いものになるために,日本リハビリテーション医学会はじめ,3療法士協会の会員のいっそうの協力が必要である.