2016 年 53 巻 8 号 p. 620-625
われわれは疼痛に対する脊髄刺激療法(spinal cord stimulation,以下SCS)の適応を交感神経依存性疼痛(sympathetically maintained pain,以下SMP)の観点から捉えることで,治療アルゴリズムを作成してきた.複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS),肩手症候群,脳卒中後疼痛などの神経性疼痛についてSMPとの関連でSCSの成績を検討すると,SCSの有効例はSMPと考えられる症例が多く認められた.また,新しいSCSシステムの導入により,従来無効であった症例もSCSが有効となる可能性が出てきており,SCSは新しい時代を迎えている.SCS適応疾患の選択と新しいSCSシステムの選択により,さらに治療成績の向上が期待される.