筋萎縮性側索硬化症(ALS)やデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)などの神経筋疾患は,呼吸筋力の低下から拘束性換気障害を呈する.このような疾患に対して,近年では,身体に侵襲を加えることなく導入可能な非侵襲的陽圧換気(NPPV)が用いられている.NPPVの導入は,特にALSの場合では自覚症状,肺活量,動脈血酸素飽和度,血中二酸化炭素分圧などに基づいて決定される.しかしながら,呼吸障害が増悪した場合には,NPPVから気管切開下陽圧換気療法への移行が必要となる.さらには,気道クリアランスを目的とした体位排痰法,徒手的咳介助,カフアシストを用いた機械的咳介助なども行うのがよい.