2017 年 54 巻 6 号 p. 429-432
ロービジョンとは視力を完全に失ってはいないが見えにくさのために生活上の不自由を生じる状態を指す.社会の高齢化に伴いロービジョン者が急増しているにもかかわらず,ロービジョンに対する一般的な理解は不足している.視覚機能の損失は,日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼすだけでなく,多くの場合心理的なダメージも大きい.本人のみならず家族の生活にも大きな影響を及ぼすことがある.適切な情報やケアを提供するシステムを構築し,ロービジョンの生活への影響を最小限にするリハビリテーションシステムが求められる.