近年,下肢切断者が義足歩行を達成して日常生活へ復帰した後に,パラスポーツに参加する機会が増えている.下肢切断者のパラスポーツへの参加は,身体的効果,精神的効果が報告されており,医学的に有用である.下肢切断者が行うスポーツとしては,ウォーキングや登山,卓球,釣り,ゴルフ,自転車競技などの生活用義足を用いて行うスポーツに加え,専用の競技用義足を用いることで,陸上競技,バドミントン,テニス,スキー,スノーボード,サーフィン,スキューバダイビングなど,多くのパラスポーツを行うことが可能である.パラスポーツへの参加に関しては,費用や参加機会の点で課題が存在するが,医療者からの適切な情報提供が重要である.